3次元製品開発プロセスの再構築

3次元製品開発プロセスの再構築

グローバル市場での競争力強化のために、各企業は業務プロセスの見直しを急いでいます。この活動の中で、3次元製品開発環境構築が再び注目され始め、重要活動項目のひとつになってきています。

3次元モデルは情報量が豊富で、それを活用した設計確度の早期向上、部品の相互干渉などの問題発見、各種解析の実施、製造の効率化といった期待があるのに加え、形状が直観的にわかりやすく齟齬(そご)を起こしにくい点、言葉と同等かそれ以上の役割を果たしてくれる点で、グローバルでの事業展開をス ムーズに進める上で有利な点が多いことが、見直し機運の背景にあります。

日本における3次元CADシステム利用は比較的早く、1980年代なかばには主に生産の効率化を狙った導入が本格化し、90年代に入ると自動車、電気製品を中心に設計の3次元化が急速に進みました。

ところが今や、新興国と比較してもその使い方が遅れていると言われるようになりました。多くの企業が3次元CADを導入しているものの、設計作業の主体はいまだ2次元であることが多く、「使いこなす」ということばからはほど遠い状態であることがその主要因です。

実際に、買収した海外企業や海外の提携先との協調設計の際、使い方がはるかに進んでいて驚いた、という話を聞くことも珍しくありません。

■ほとんどの問題は、3次元設計に合ったルール整備や業務プロセス改革をしていないことに起因

技術専門誌が実施したアンケートなどによれば、3次元製品開発を行っている過半数の国内企業が、業務が効率的に行えないといった「理想と現実とのギャップ」を感じています。多くの企業では、3次元CADを導入し操作教育を行った後にいきなり使い始めます。運用ルールも最低限ものしかなく、従来の図面文化のままで3次元設計を試行します。この結果、

  • 3次元設計にしてから、かえってトータルでは時間がかかるようになった
  • 3次元設計をしても、思ったように手戻り削減や品質向上に結びついていない
  • 3Dモデル作成だけでなく、図面も書いているから、以前より負荷が高くなっている
  • 他人が作った3次元モデルは修正しにくいので、結局いちから作り直している
  • せっかく作成した3次元モデルを、後工程でうまく使えていない

という問題に直面します。

車の場合、皆がルールや規則を遵守することで安全に運転ができます。図面においてはJIS等で定められた表記ルールに則ることで意思疎通ができます。またそのルールも長い年月をかけて改良を重ねてきています。

対して3D設計では、十分な運用規約やルールがないままで皆が好き勝手にモデルを作成している状態から脱していません。

3D図面規約もようやくJISに盛り込まれるようになってきたものの、まだ十分とは言えませんし、3DCADが持つ機能も利用するCADごとに異なりますので、利用CADに合った合理的な運用ルールを制定する必要があります。

■VPrimesの「3次元製品開発プロセス再構築」支援サービス

理想的な3次元製品開発環境を実現するためには、

  • 業務インフラ
  • CAD運用方法
  • 業務プロセス

の3つの視点からの見直しが必要です。

VPrimesでは、これまでの経験と実績からまとめ上げた3次元製品開発プロセス改革方法論「VP-DPR」をベースに、上記3視点からの製品開発プロセスの再構築を支援します。

●特徴1:3D設計の特性と効果のポイントを押さえた改革活動を主導

手戻りが少なく、かつ確実に効果に結びつくカリキュラムを提供し、3次元開発プロセス改革テーマの相互依存性を考慮した、最も適切と思われる活動を実施します。

●特徴2:はじめの一歩を間違えないための、3次元設計適用/活用方法検証

現状の3D設計の状況および内容を把握・分析し、あるべき姿達成に向けた要改善ポイントと改善方法、および効率向上させるための3次元CADの効果的な運用方法を明らかにしていきます。

●特徴3:3次元モデルを「使い切る」までの、全工程の再構築を支援

3次元設計をより効率的に行うための手法開発や省力化のための仕組みづくりはもとより、作成されたモデルを使った後工程への設計意図伝達方法や、CADデータの管理方法を確立していきます。

さらに製品品質の早期作り込みを実現できる業務プロセスへの移行を目論んで各種の取り組みを行い、一連の活動で積み上げてきた成果を定着させていきます。




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