技術伝承と不具合未然防止

技術伝承と不具合未然防止

日本経済の発展に寄与してきた団塊の世代が一斉に引退を始め、熟練技術者が不足するとされた、いわゆる「2007年問題」が提起されてから既に久しく、同世代の平均年齢は今や65歳以上に達しています。

国内製造業は雇用延長をしながらしばらく危機をしのぎ、その間にできるだけベテランの技術を取り込もうとしてきました。しかしながら、その活動が思い通りに進まないといった問題を抱えている企業がいまだ多いのが実情です。

今では65歳以上のベテラン技術者を嘱託社員として雇用継続しているといった話を聞くことも珍しくなくなりましたが、この状態を長く続けることは不可能で、いずれ大きな問題に発展することは火を見るより明らかです。国内企業がこれまで培ってきた技術レベルを維持し、次世代へと繋げていくためには、技術伝承は何にも優先して取り組まねばならない最重要課題であり、待ったなしの状況です。

失われた技術を再び獲得するのには相当の時間や費用がかかるばかりでなく、その間に発生する可能性がある品質低下によって、企業の信用が著しく毀損されることも懸念されます。

■技術伝承問題解決に必要なのは、思考ロジックの整理と蓄積

ベテランと若手の間には、経験の差に起因する知識の差があります。

知識には、熟練でしか伝承できないものも存在しています。例えば製造現場には、加工面を撫でただけでその仕上がり具合がわかる、加工機の発する音を聞くだけで刃物の切り込み量がわかる、手で持っただけでグラム単位の重さがわかるといった類いのものです。通常これらは「技能」と言われ、長い歳月をかけ、五感を研ぎ澄ませることによって身につけていく必要があるものとされています。

一方、「技術」にはロジックがあり、理論的な裏付けがあります。具体的には物理的、化学的なメカニズムに基づいている、あるいは明確な理由に基づいて最適な手順が導出されているといったものですが、これらはすべてを経験をさせずとも、知識として伝承することが可能です。

しかし実際には、ベテラン技術者の多くの知識がいまだ「暗黙知」のままで、形式知化された知識や「技術」として蓄積できていません。

知識の差は不具合をも発生させます。本来知っていれば発生しないであろう不具合が、ある一定のサイクルで繰り返されるという現象をたびたび目にします。このような不具合の発生は、「技術伝承」と「不具合未然防止」が表裏一体の問題であることを物語っています。

 

■VPrimesの「技術伝承と不具合未然防止」支援サービス

どのような設計においても、正しい結果を導き出すための思考プロセス(論理と手順)が存在するはずですし、設計対象物に対して考慮すべきことが事前に示されれば、注意して設計することも可能になります。

VPrimesはこのことに着目。独自理論に基づいたナレッジデータベースを構築し、製品開発業務の必要シーンで参照することで、設計品質を大幅に向上させます。

●特徴1:知識蓄積・獲得方法論「VP-SKM」に基づく業務改革支援

当社代表社員・宮木邦宏が提唱する知識蓄積・活用方法論「VP-SKM」(特許第6710664)を用いて、業務改革と知識蓄積および活用のしくみ構築を支援します。

「VP-SKM」は設計に必要な知識および思考ロジックをネットワーク的に獲得し、あらゆる組み合わせで対象を評価し、不具合の発生をも予見して対策をしながら結果を出していく方法を提供します。これまでにない独創的な考え方を採用しており、ベテラン技術者が頭の中で行っている外挿*プロセスを再現します。この結果、技術伝承を円滑化させるだけでなく、不具合未然防止も実現することが可能になり、設計品質が確実に向上します。

*外挿:既知の情報から未知のことを推測・予測すること。

●特徴2:知識の「利用」シーンを最重要視

技術伝承や不具合未然防止の諸活動においてよくある大きな間違いは、知識の蓄積ばかりに気を取られ、活用シーンをおろそかにすることです。当社のサービスでは、知識の利用シーンを最重要視し、どのような形で知識提供すれば業務に役立つかを考えて、効果的な運用方法を提供します。

●特徴3:陳腐化しにくく自己増殖できるしくみの構築

知識の蓄積およびデータベース化においては、蓄積した情報の鮮度が保てずに陳腐化してしまうことが問題になることがよくあります。当社はこういった問題にも気を配り、陳腐化しにくい情報の蓄積・更新方法を提案しています。また、自己増殖させることで、使い込むほど便利になっていくようなしくみを、提携システムベンダー様と連携しながら構築します。

●特徴4:あらゆる業種に対応

本サービスで採用する「VP-SKM」は、機械装置、化学プラントなどのプロセス系、電気・電子などの製品だけでなく、製薬、医療など、業務品質や安全性を重視する業種にも応用可能です。

●特徴5:PLMシステムとの連係で、より効果的な運用を実現

「VP-SKM」に基づき構築したしくみをPLMシステムと連係させることにより、設計の初期段階から有用な情報をプッシュ型で提供することが可能になります。設計者に気づきを与えることで、設計品質の向上と手戻り削減を実現します。

 (当社特許の知識蓄積・活用方法論「VP-SKM」の詳細は、別途お問い合わせください。)




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